別れ/石川和広
 
  この花は
      この花は 
           もう

           やはり
  枯れてしまう
  水やりを

       忘れただけかな
       わからない

  なみだも、ふびんな夜だった
 
  グラスは薄いのだけれど
  アリアは、結構だけれども

  もう
     もう

  たばこに、灰がまみれて

     しあわせが、  何だろう
    伸びきって


       切れた形

  痺れていくのは
  
     空気だろうか 手だろうか

  あの夜の窓は、神様のために震えているのか

  歴史は 

   こいぬの影の匂いがした

    すべてがつながらなかった夜


    わたしのふるわせた  空気の中に

      死に逝くガーベラが
        ていねいに
         お辞儀
          した


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