足音/じゅじゅ。
 
ひたひたと

君の足音が 近づいてくる



今日も 僕の傷ついた羽を

その やわらかな唇で 癒してくれる



とてもうれしい反面

ほんとは不安でいっぱいなんだ



いつか君が ここへ来ない日が

来るんじゃないかって



僕の羽が 元通りになって

また飛べるようになったら

もう君は ここへは

来てくれなくなる



そう思うと胸が張り裂けそうだよ

いっそ この羽が

一生傷ついたままでいればいいのに

なんて 思ってしまうんだ



ひたひたと

君の足音が 今日も聞こえる



ねぇ 君は 僕のこと

どう 思っているの?



ひたひたと

君の足音が 遠ざかる



君の本音には

音がない

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