海/寅午
 
海は 生きるために波をくりかえす
よせ、また返す 海の呼吸
 
だれもいない浜辺に来て、海と握手をしよう
とおく外洋の果てから 友をもとめて
手をさしのべてくる 
この大きな、大きな生き物と
 
  「 海は おおきないきもの?
  「 みなみのはての海の底に、海の心臓はねむっているの?

  「 海の足は どこにあるの?

その夜、世界のどこかの浜辺で
海の足が 牛を一頭さらった

海よ!
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