八月の再生/哀詩
一. 八月の再生
それは何故か寒い八月の最期でした。
私は一人、窓という格子に挟まれた中の
限られた空を見上げて、煙管をふかしていました。
すると明け方の空がぼんやり、と徐々に色を浮かし
私の四畳に満たない部屋を
うっすらと端から朱に染めていくのです。
その頃の私は人生にほとほと疲れておりましたが
この閃光をまた明日、見る為にだけは今日を生きていける、と
そう確信したものです。
ニ. 水仙花は刹那
首巻に顔を埋めてほころんだ顔の3秒後、
開けた目にはお馴染みの男の背中がありました。
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