こだま/玉兎
 




わたしは なにも もっていないから

あなたを きずつけてしまう

かなしませてしまう



でも こわすぎて

うごけない



すぐ めのまえに ある

みらいしか

つかみとれない、と



ことばにならない おとだけが

からだを すうっと つたってゆく



しんを ひやした

さけびは

くらい

どこかへ

みえない

どこかへ

あすには

とどかずに

こだまするだけ






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