雨の降る寂しい夜/
飯沼ふるい
僕の魂は二つの眼球と分離できるのだろうか
このまま
すれ違うヘッドライトのように
僕も溶けてしまいたい
溶けてしまいたい
おぞましい夜空が
シンバルの鳴り続けるような水溜まりの中に
吸い込まれていって
その深海は呆気なく車の重みで砕け散る
散乱した水の星屑
ギラギラのネオンに抱かれて死ねばいい
指先の鋭い感覚
唇に流れる夜の尿
このまま
すれ違うヘッドライトのように
僕も溶けてしまいたい
溶けてしまいたい
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