一行詩集「夏収め」/明楽
一
生前葬のようなドクダミの十字架終わって夏開き
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梅雨の出口 夏の入り口 七色の橋が横切る空
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「冷やし中華はじめました」で始まる夏もある
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こめかみに突き刺さるかき氷の冷たさが夏神経を目覚めさせ
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育ち過ぎた入道雲が子供心の種を蒔く
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幼児性と大人の混在コーヒーフロート
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赤く甘い蜜の愛撫に銀の匙 白色とろけて滴りかき氷
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真夏のキングだビアガーデンなら波打つ腹もご愛嬌
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そうめんの冷えたつるりとした喉ごしが下腹にもたらす涼
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草刈り鎌に張り付い
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