雪見草/星月冬灯
 

 私は向日葵になりたかった

 朝顔になりたかった


 太陽から愛され

 少女から口づけされる

 美しい花になりたかった


 私の周りには雑草だらけ

 小さい小さい私に

 覆いかぶさって

 嘲笑っている幾多の雑草たち


 ああ!

 お願いだから私を大きくして

 ああ!

 お願いだから私を美しい花にして

 願いは天に届かず

 祈りは神に届かず

 私はただ涙にくれる


 輝く太陽に愛されたい

 少女に口づけされたい

 ただそれだけなのに

 届かない思い


 風が吹いて

 雨が降って

 雪が降って

 そうして

 私はどんどん

 落ちぶれてゆく

 花にもなれずに


 ただ大輪の花となる夢だけをもって


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