鬼火/星月冬灯
 


 いつまでも

 しぶとく

 朝陽が昇る

 その一瞬まで


 ゆらりと燃える

 青白い炎


 まるで死んだものたちの

 魂そのもの


 そうして

 非道な人間たちを

 誘惑する


 あの火に近付けば

 取り込まれる


 魂ごと全て

 飲み込まれてしまう


 けれど

 愚かな人間は

 その火に導かれるように

 近寄っていくのだ


 美しくも冷たい

 その炎に


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