創書日和「ツマサキ。」/狠志
爪先に、冷たい液体が波打つ様に、
何度も、繰り返して来る。
夜、のような真っ暗な世界で、
僕は液体を蹴飛ばした。
静かな世界に、水音が響いた。
爪先が、冷たい液体に浸かった。
沼、に入り込んだみたいに、
僕の身体が沈んでゆく。
何も抵抗はしなく、出来なく。
ゆっくり、ゆっくり、沈んだ。
爪先が、底に着いた。
沈みきれなくて、僕は息が出来てた。
あぁ、何て生き難いんだろう。
ツマサキを揃えてみた。
朝日が昇るように、光を感じた。
生き苦しい、ままに。
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