種子島/セガール、ご飯ですよ
原動機付き自転車でガードレールに激突する遊戯
カスタードプディングを踏んでしまったわたしは
ブレーキが間に合わずに宙へと放り出され
そして未だ着地できないでいるわけで
どんどん空気が薄くなっているというのに
アロハシャツに短パンという格好のままで
素肌がみるみる突っ張ってくる
じりじりに引き攣れてくる
ぱんぱんに膨れ上がってしまう
ああ こんなひどい目に遭うくらいなら
原動機付き自転車でガードレールに激突する遊戯
そんなものを開発せねばよかった
そんなものを流行らせようとしなければよかった
みんなプレイステーションに夢中で
誰一人として見向きもしなかったのに
変な意地を張らなければよかったのだ
脳天の周囲に黒アゲハがまとわりついている
蝉の抜け殻を粉砕したにおいがする
視界がどんどん黒ずんでいく
母なる大地が遠ざかる
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