ユルグネとミダグネ/N哉
 
A.外側

私を包む皮フ、下着を履く、服を着る。外に出る、隙間なくエア、広がる空、その先に宇宙。わかる、私、宇宙高志とか言うお兄さんの皮下、潤う単細胞のひとつ。

B.内側

皮フを捲れば肉と骨、そこを流れる赤い川、細胞の河川敷に座る血潮サラコ、内臓が雲みたいな空、眺めながら何か考えてる。私には解らない、高志が私を解らないのと同じ理由で。

まだ小さかった私が公園で転んだとき膝小僧から溢れたもの、それが血潮。ペロッてしたら「ただいま」だけど残りは膝の辺りでユルグネ、南無。
高志が転んだら次は私、彼の膝小僧から溢れ出して、友達は皆既にユルグネ、南無。私、抗おうとして歪んだ顔、捻れた体、ミダグネ、干からびた高志の世界、今更「お水頂戴」あのときの血潮みたいに。そして私ごとユルグネ、南無。

ねえ血潮、いつかあなたの中の話も。
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