孤独から/
智哉
例えばこの淡いマニキュアが私の指に馴染むように
あなたの指は私の体に溶け込んでいたし
ニュースキャスターの声が耳障りでないように
私の声は心地よさを訴えていたはずで
ただ気が付いてみれば
単に体を悦ばす卑猥な指と戯れ
単に悦を深める為だけの喘ぎを空間に漂わすだけになっていた
あの日の安堵と快楽の融合は再来せず
あなたの薬指を思い出し妄想しながら自慰に耽る
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