短い話/松本 涼
 
短い話の夢でした

ひらがなばかりの
セリフであって

半袖ばかりの
人と逢って

ところどころは
知る場所なのに

どこか遠くへ
運ばれて

目覚めたところの
この家の
この部屋の
この布団の上が

終着点とは
どうしても

思えない
居心地の悪さの
哀しさな

短い話の夢でした




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