未だここに来ても (※ 即興超短編私小説)/
こしごえ
私はまだ、ここにいるのか。という夏の終りの焦燥にあぶられ、未だ過程の核心をつくことなく、鳴動を歩いている。
セミの声も乏しくなり、信ずる青い空はしんとしずまるばかりだ。ここに来て何を失うというのか。そのようなものは最初から無かった。身一点が反る岸辺に立ち。水平線上の花は風にかおる。遠く遠い影の内へ。
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