見たもの今日/
KETIPA
轢かれた雀の産毛がはためく
風
霧吹きの少女は無闇に湿度を上昇させる
醤油を加えて煮詰めたような大気に
圧迫され
息を吐く 二度
「電車が通るので注意してください。」
夕方準備中の陽光に
焼かれて燃えたつ街路樹一本
弱い風が鎮火
を助けた
平然とした町に夕暮が開店した
鍵開ける音に孤独を見出し
部屋の隅で泣いて
1の中にまぎれこんだ0を
人差し指でつぶした
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