「晩夏の夜」/広川 孝治
 
夜の静けさの奥に寂寞の哄笑が

暗闇に満ちる無限へのエナジーが

つきぬけてゆく星空に

酷薄のヴェールをかけ

どこまでも昇ってゆく




地に縛られた僕だけは

虚空に震える指伸ばし

形のない喪ったものを

哀惜の吐息で送り出す
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