なつのひかり/よしおかさくら
夢の壊れる音を聞いたことがある
あなたもきっと知っている
夏の日の昇るまえ
穏やかな空気の静寂を
死そのものとして頭の芯まで呼吸する
生に引きずられながら
ねえ 笑ったことがある
わたしの馬鹿げた宝物を見ても
あなたの笑うことはなかった
その時からわたしの世界では
夜のあいだも変わらずに増え続ける白いひかり
流されるまいと
ベッドの足にしがみ付き
今日も出掛けよう
止(とど)まることを知らずに
熱を帯び溢れ零れしている人びとの夢の欠けら
夏の
ひかりのなかへ
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