死んじまえ協定/
容子
「死んじまえ」ノートに何度も繰り返すそれだけが僕の存在証明
「死んじまえ」夜な夜な母が父へ云う口癖今夜もリフレインする夜
「死んじまえ」線香代わり、と呟いて両手合わせる祖母の横顔
「死んじまえ」キスの合間に繰り返しささやくあの娘の心は知れず
「死んじまえ」少女はトイレを流しつつ産まれた金魚を葬る儀式
「死んじまえ」君のことばにつき果てた僕の化身は宇宙を泳ぐ
「死んじまえ」耳をつんざく合いことば 息する間もなく降りそそぐ声、声
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