雨の景色/
小川 葉
この雨の
景色を覚えてる
父に手をひかれ
玄関の
扉をあけた
その時
降りはじめた雨を
あれから僕は
ずっと
見てる気がする
今
僕の手の中にある
小さな手
瞬きしてる
小さな目に
あの日と同じ
父と見た
雨の景色がうつってる
屋根を鳴らす音
土を濡らす
あの匂い
覚えてる
景色は
静止したまま
瞬きひとつしなくても
時が
流れていたことを
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