かじりかけ宇宙/ねことら
あたたかな毛布にくるまりながら
君の名前を小声で叫んでみる
世界のはじっこで
群れにはぐれたトナカイやヒツジも
安心して駆けつけてこられるような
優しい距離で
いつのまにか伸びてしまった手足と
鈍色の瞳にはりついた淡いカシオペア
(ピンクの傷跡をかくすように
(手と手をつなぎあった
この部屋のまどろみは
食べつくしてしまったね
ドアを開けて
しめった夜へと抜け出す前に
すこしだけ眠ろう
衛星の名前でしりとりをしていると
僕らふたりはぐれてしまって
気がつけば
あたたかな毛布の宇宙
(なつかしい匂いがするね
ふたりぼっちの
白々ひかる銀河のみちの上
はしる僕らのせなかを
スペースシャトルが
面影をのせておいこしてゆく
さびしそうなスピードで
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