無数の小人がテクテク歩く/きりえしふみ
トへ向かって 突撃する 進行してゆく
逃げ込もうと足早に駆けてって
ピシャリ! 扉を閉められることだってある
のに
駆けて行かずにいられない あたし
あたしのハートはドキドキ グラグラ
煮え立っているから 動いているから
停止するまで 何人もの小人
(丁度今九十九人目の恋心を伝達する使命を担ったあたしの小人が息を吹き返した!)
幾つもの思いに袖を通して
歩まなければならない 転ぶことをしなくちゃならない
たった一人でもいいんだ
その無数の数多のたった一人でもいい
君へ 君たちへ差し出される ちっちゃな小人の手のひらで
ちっちゃなあたしのハートが潤んでいたなら
それが恋する君相手になら 尚のこといい
他の誰かに手渡すよりもっと 抱え切れない勇気
知恵がいるもの
恋の『好き』は いとも簡単に卵の殻を割る
喋り出す 駄々を捏ねる 叫び出す けれど
その『好き』を 伝える、のは
難題だもの
©shifumi kirye 2008/08/17
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