ザ・ブーンンン/砂木
およいでもおよいでも おぼれていく
砂場は熱くなっていた
靴に 靴下に砂が入る
こんなに熱くて サンダルを忘れてくるはずがない
どこで脱いだんだ
波と少し遊んで 忘れたのよ
時計をみて 慌てて走って
裸足で帰ったわけじゃないだろう
裸足よ
だって汽車の時間て すぐだったから
帰って来た駅の売店でビーチサンダルを買って
家に戻ったの
彼が行こうって言ったといったじゃないか
彼ねえ
汽車がくるまで 一時間もないのよ
ただ 歩いただけよ
なんで一緒にいるんだ
っていうか 誰なんだ
これよ はい
ペンダントをはずして 写真をみせ
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