変態/雨を乞う
句読点の多い僕の言葉がいつまでも果たされない遺書のように真っ白い画面の中でぶら下がっている。だらりと舌を出し、眠るような瞼の重さで。君の罵倒を編みこんでロープにしたら、その先にある扉を開いて逃走。八月の亡霊は鉄塔の上でOBOEを吹き鳴らし、流星群に狙撃された街の灯があの日の兵器の痕に似ていることを、君に耳打ちしたい。夏の夜は痛覚を鋭敏にして、妄想する電気信号すらちりちりする。胸の梯子の隙間で拳大の臓器が何度だって脈動しているから、明日は大丈夫なんて下らない冗談を密やかな模倣犯に教えてあげよう。蛹は背を破り、枝葉を伸ばして、雨を呼ぶ。
凌霄花の蔓に盗られて恥ずべき皮膚に蟻が這う。卑しくはだけた行き場のない獣達が果てしなく濡れている。あの手は枯れたか、それともまだ僕の深爪に触れている?痛いな。
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