1890円(税込)の文芸誌/キリギリ
 
齢73にしてライトノベルに手を出した筒井康隆の作品が
読めるのはファウストだけ。やる気と本の厚さは正比例すると
思い込んでいる編集長、大風呂敷はどんな不誠実さも丸め込むと
思い込んでいる編集長、による1200ページを越える文章群。
それがファウストである。小さくて、厚くて、持ちにくい。

前号より2年半の月日を隔て発売された「ファウスト vol.7」の
特集は筒井康隆ではない。残虐と日常を同じ広場に置き、作者と
登場人物を同じ広場に置き、ともかく何でもかんでも同じ広場に置き、
キチガイの解放治療よろしく眺め、突つき、手に負えない者は殺し、
生き残った者が回復する話を多く書く佐藤
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