こい/
湖月
銀色の包みのチョコレイトを
いつかあなたにあげたくて いつも鞄にいれています
優しいあなたを温める一粒は 日に日に形を変えて
この夏に溶けていくけれど
秋にはまた新しいのを用意しますね。
優しいあなた
わたしはあなたを少ししか知らないけれど
その少しの部分がとてもいとおしいのです。
だからどうか
この一粒を飲み込んだ次の日には
穏やかな気持ちになれたら
ふたりで静かな森に行って
魔法瓶に入れた紅茶を飲みましょうね。
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