お幸せに…。/長谷川智子
 


図書館の斜め向かいにある、小さな喫茶店

いつもはここで暇をつぶす

ところが
普段はカウンターの中にいるはずのマスターがいない

どうしたんだろ


あれ?
何か物音が聞こえる

微かに
呼吸を合わせるように‥


‘!?’

女の声
そして、男の息遣い…
他の客は聞いてないふりをしてるのか分からない


………


柱時計が昼の三時を指すなり、声は止んだ


あの店に行かなくなって久しい…




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