旅の途中/長谷川智子
 

陽のあたらない

暗い道を

ポツン ポツンと

とぼとぼと

ただ一人で

歩いて行った ――。

やがて むこうから 青い快晴のもとに

真っ黄色の向日葵がむかってくる。

‘誰だろう・・・・・。’

急に、風がふいた。
彼女は もう散ってしまったかのように見えたが

立ち上がりざまに宙(そら)を見上げて、そのまま

もときた道へかえってしまった。

名前もしらない、ただ同じみちをあるいていただけの

小さな旅人同士・・・・・。



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