鯨/
ゆるこ
その飛翔を
だれかの鞄に詰め込んで
機械的な作業で
きみは缶になる
密封空間に
足首を垂らせば
秘密の合言葉が
世界中から聞こえてくる
透明な羽をなんども
一瞬をしった少女の様にはためかせ
ゆらゆらと脈をつたう
汗のひとつひとつを結晶にした
誰にもあいされないんだと
静かに独白する男性に
祝福を、あいを、ばらまく
(そうさ、わたしは、)
硬質の不鮮明なパルス
、をなぞる
指先に太陽
イカロスは死なない
不特定多数のmeが
今 空を飛ぶ瞬間
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