わたし/エチカ
思考ははねる
途切れそして、繰り返す
そして思考は夏の日差しの中で
ぽわん、と浮遊した
クラゲみたいです。
水族館の中で
日の光を浴びながらゆらゆらと。
夏の街角で出会った友人は
足が無かったの、
夏の蜃気楼のようにただぼんやりと
地表に浮かんでいつまでも
じいっとわたしを見ていたわ。
そこに在るようで
そこには無い
そこかしこに浮遊する
あなたの夢のように
思考はただ横たわっていた。
動物園で干乾びたカバのように
あるいは立ち尽くすゾウのように
悲しみに覆われた戦争の記念碑のように
ただそこに横たわっ
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