水母/さき
 

呼吸を忘れたら
水の中で生まれたんだと
七色の目をした
君が笑う
砂糖菓子のような
甘い声で
私をいともたやすく



漂う
いつでも
ここがどこか
私が何者か
それすらもどうでも良くなり
寄せては
返す
その心地よさにますます
夢中になる
どこかに辿り着きたいと願いながら
ますますどうにもならない向こうへ
流されていく



夜毎
空に
かろうじて残した
片割れ
心を映す
ああ、
あれは私
大きく明るい
欠けてばかりの物思い
だが時に満たされ
大きく膨らむ
輝く夜もある



ほらアナタはこんなに素敵って
可愛い
可愛い
笑う姿も
泣く姿も
思いのままで
思うようにならなくて
骨抜き
骨抜き
ほらアナタも
この広い海で生きていけると
また笑う








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