僕はマゼランと恋をした/ブライアン
 
ック 柴田元幸訳}


世界は僕の周囲にしかないと思っていた。

ラジオの声は、僕のために作られたものだったし、TVも同じだった。

学校に行けば、みなその話題を話し、それ以上のことが世界で起きているとは思えなかった。



僕が話す言葉は、全部世界の共通語だ。

同級生は英語の時間に、流暢な雰囲気で英語をしゃべった。

僕は何も理解できないままに、ディスイズを繰り返す。

同級生が話した英語が、外国人に通じて、僕は通じない。

ならば、世界はそういうものだ。

理解できないことが共通語なのだ。



ケ・キエレス

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