モノクローム街道/紫音
日めくりカレンダーを
まとめて捲るように過ぎる
感傷さえ許されぬ日々
疲れた旅人の
マッチ棒のような細い足
先を急ぐ大きな目
アリのように小さく
ゾウのように大きく
いつもそこに壁がある
藍墨茶の空
烏羽色の海
視界のモノクローム
交じり合い鬩ぎ合い
人の形を失いながら
フランス人形を握り締め
旅は果てなく続き
歩みは遅々として進まず
砂丘に足を取られ
ガスの霧に溺れ
絡め捕られる人の成れ果て
不器用の持つ切れない鋏
余計なものを切り刻み
何も得ることなく
やがて諦めゆくとして
それでも足は
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