切ないほど ボンビ/蒼木りん
君の目はふしあなだから
わたしの爪がトウモロコシの粒にしか見えない
わたしには
君の歯がトウモロコシの粒に見えるように
『あんたなんか、ふん！』
たいていの人は
わたしなんか嫌いだから
たいていの人にそう思う
尖がった爪と
四角い爪
どっちが好きかと訊かれれば
みんな綺麗な爪してるから
暇なんだと思う
シュレッダーのダストボックスに
はずれくじ
わたしの人生大ハズレ
わたしの人生大笑い
食べていけるだけの生活
という希望が叶っている
だけの
しあわせ
筏の上に
夢のお城を造ったら
重くて沈みそう
縦笛で
月の砂漠の合奏が聴こえると
さびしい
だから
君なんか
どっか行っちゃえばいいじゃない
わたしなんか
どこにも行けないんだから
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