「水のための夜」/
ベンジャミン
まるで僕の心の内を見通したように
あなたが淋しそうに言うものだから
僕も半分やっきになっていたのです
「またたくことなくあなたを見つめます」
あなたはちょっと驚いたように
けれど何だか嬉しそうな感じで
あなたも僕を見つめようとする
僕はそれを手のひらでかくすと
「きょうはずいぶんと湿った空です」と
それは言うまでもなかったと
そう思いながら
僕もいつのまにか泣いていました
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