UNDER GROUND/西日 茜
蒸す夜の リージェントホテルの地下
急な階段を降りると 黒い扉が開く
すっとした冷気と
スモーキーな空間に吸い込まれて
おもわず噎(む)せてしまうほどの
カウンターでバーボンコークを注文して
テーブル席に運んでもらい
スパニッシュの彼と乾杯する
相方公認の友達
私たち、ここ、似合わないかもね
小さいイスからはみ出た巨漢の彼のおしりが
おかしくて笑った
牛肉をじっくり煮込んだチリソースには
ガーリックバターを塗ったパンが付いていた
それを少しずつ口に運びながら
辛いよって 舌をペロリと出して
バーボンをまた飲んで
テーブルランプがぼやけてくるこ
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