はつこい/
木崎綾音
雲 途切れ
一ミリの朝日が
赤くなった頬を刺した
部屋中にすきまなく
想い出が散らばっていては
目を開くこともできない
新しいエナメル
くるまったタオルケット
ちらちらと気になる液晶画面
夏は押し流して
何も残してなどくれない
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