「モナとウルリカ」/ソティロ
 
「モナとウルリカ」




わたしたちは
洞窟でのくらしを捨てて
草原へ歩いた
ひとたび外へ出ると
外は夏で
緑色が輝いて輝いて
目を瞑っても
しばらくまぶたの裏に
残ったくらい


雨が降ったから
木陰に入っていった
スコールだ
常緑樹の葉の指の隙間から
しと、しと
零れてくるけれど
これぐらいがいいよね
なんていって
笑っていた


髪が濡れても
服が濡れても
外は暑かったから
少しも気にならなかった
そのうち雨の中へ出て行って
くるくるくる、くるくる
と廻りながら泳いでいった
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