夕焼けのポエットさん/yozo
タナカさーん
カサヌキさーん
マエダさーん
少し間があって呼ばれました
ポエット さん?
やはり皆さんの視線が集まります
肩をすくめて受付に歩み寄ると薄ピンクの制服のお嬢さんが
保険証を。と事務的におっしゃるのです
また少し肩を小さくし
無いです。と弱々しく答えます
この時が実は一番ちりり、とします
そこでやっとお嬢さんは書類から目をあげ
にじんで透明にほの焼けた額のあたりをみつけてくれます
あぁ、あなた
そういうと机の奥のほうから淡いピンクの書類を探しだし
もう一度、ポエットさん?と確認をされるので
出来るだけ他の方に聞こえないように、はい。と返します
大きな声
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