水族館へ/山内緋呂子
 
。うつくしい。ちぢんだりふくらんだり。どっちが上で下だかわからない。少し、天本英世とポムポムプリンの帽子に似ている。それから、私たちは、例えばイルカ、ラッコ、サメなど観ればいいのに、イワシ、タコ、ホヤ、など観る。寿司屋感覚。
 サイコに連られて食堂へ。伯爵はチャーハン。サイコは焼きそばとチャーハン(喰いすぎ)私は焼きそば。(メニューが二つしかない)伯爵は、「カマボコがうまい」と爺みたいなことを言う。
 サイコが、妹のエミリーにお土産を買いたい、と言うので売店へ。伯爵は、「僕には、お土産を買って帰りたいような人がいない。」と悲しいので、「じゃあ、私に買って」とイヤな大人みたいなことを言ってみた。快諾。私はクラゲのキーホルダー探し。全部プラスチックで、白か青、目がクリクリしてる。もっとこう、ビニールで、角度によって光ったりしないかなあ、と探すがない。仕方ないので、電車で食べるバナナチップを買った。サイコは、手足が動くガイコツを買っていた。
 駅で解散。伯爵が、うれしいんだか困ってんだかわからない顔で、お土産をくれた。歩きながら、待ちきれないので開いてみた。オレンジのトビウオだった。
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