IN DA BLUE/エヌジーマ
 
チャンネルの亡霊がマブタの裏にへばりつく。
俺は空気の生ぬるさに不快感を覚え、
開けっ放しにされた窓を閉じてインセンスに火を灯した。
甘いバニラの香りが部屋中にたちこめる。
俺は触発されて夏っぽく振舞ってみたが、所詮は部屋で一人退屈を弄ぶしがない寂しがりやにすぎなかった・・・
部屋はそこら中にレコードが、DVDが、そして本が散乱している。
ヒマを弄んでる右手が一冊の本を手にした。
「限りなく透明に近いブルー」 
俺は二回目となるそのストーリーを朝まで読み更けるだろう。
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