わたしはピアノ/yangjah
 
毎日のように
ピアノに触れる
からだに習慣がなじんでくる

五線譜の通りに弾いていた子どもの頃
打楽器のように思うままに即興で弾いていたここ数年
コードのハーモニーに慣れ始めた近頃

ことばではつかみきれない感情が
指の先から鍵盤へと伝わり
空間に響きわたる

やりきれない感触も
叶うのか叶わぬのかじれったい思いも
すべて音の波に包まれて
昇華していく

また思い出したように
子どもの頃に親しんだクラッシックの曲を
ポロポロと弾いてみる

その曲を生んだひとりの人
引き継いできた名もなき人々
いろんな人の思いが
透明な響きになってあふれてくる

胸の苦しい感触が
わたしの殻から
溶けて出してゆく

そしてまた日常に立ちかえる










戻る   Point(1)