氷の指輪/松本 涼
 

氷の指輪
転がした

真夏の坂の上から

輝きながら
回った


きらきら
くるんくるん

きらきら
くるんくるん


氷の指輪
縮んだ

太陽とコンクリの間で

転がりながら
縮んだ


ゆらゆら
くすんくすん

ゆらゆら
くすんくすん


もう帰ろう
と言われた

そっぽ向いたまま


そんなこと
言うなんて

どうしてだか
わかんない

溶けて
無くなるまで

見ていたいのに




戻る   Point(1)