傷/
高杉芹香
う。
そうして
出会ったことが
また
過去になる。
愛したことが
また
過去になる。
こんなことを書きながら
今
ここに
あの人を愛するキモチが胸から溢れ出して。
体の痛みに鈍感になる。
体中の傷より
心の傷の方がどうしてこんなに痛いんだ。
これが愛を忘れられないということ。
これが彼を愛しているということ。
これが
向き合うことから逃げるということ。
彼から逃げるということ。
彼を愛しているということ。
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