傷/高杉芹香
もう誰も好きにならない
なんて
こんなキモチになるたびに思う。
どうして愛する人のそばで生きていけないんだろう。
どうして愛する人に同じ温度を求めて疲れちゃうんだろう。
あたしの愛する人はとても遠い人。
誰もに愛される人。
彼に出会えてなかったら
この数年のトキメキはなかった。
ばかみたいに
連絡を待って。
連絡が来るだけで心潤んで
何時間でも笑っていられた。
連絡が途絶えたら何度も何度も深呼吸をして時間を過し。
空を見上げては
同じ景色を見ようと。
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