傷/高杉芹香
 
もう誰も好きにならない

なんて

こんなキモチになるたびに思う。




どうして愛する人のそばで生きていけないんだろう。

どうして愛する人に同じ温度を求めて疲れちゃうんだろう。




あたしの愛する人はとても遠い人。

誰もに愛される人。




彼に出会えてなかったら

この数年のトキメキはなかった。

ばかみたいに

連絡を待って。

連絡が来るだけで心潤んで

何時間でも笑っていられた。



連絡が途絶えたら何度も何度も深呼吸をして時間を過し。



空を見上げては

同じ景色を見ようと。


[次のページ]
戻る   Point(2)