ウエハース島の思い出 7 〜割り箸〜/よだかいちぞう
たちは
それを観察するように眺めていた
アルルコールは職員に向かって云った
「どうして助けないんです?
あなたたちは何を子供たちに飲ませたんです?」
職員の一人が冷たい口調で答えた
「毒薬です」
リタは云った
「なんでそんなことをしたの?」
さっきぼくたちと
飲み物のことで会話をしていた職員が答えた
「オキシドドール博士は間違っていました
子供たちをすべて殺すべきだったのです
週に一度の紙芝居なんて意味がなかった」
アルルコールは云った
「助ける方法はないのですか?」
職員は溜息を付くように云った
「もう手遅れです」
アルルコールとリタは
手を強く握り合って
子供たちが苦しんで死んでいく光景を
二人で見詰めていた
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