弧灯(ことう)のよろこび/星月冬灯
 

 人は私のことを哀しみと呼ぶ

 人は私のことを寂しいと言う


 なぜ?

 なぜなの?


 私は常に一艘の小舟

 緩やかな波に揺られながら

 月を友に夢など語り合う


 優しい穏やかな中で

 夜(よ)が明けるまで

 美しい詩(うた)をうたって

 
 その清光(せいこう)の中に

 いつしか溶け込みたい

 この身も心も


 陰り無い一つの

 かけらとなって

 この空を羽ばたきたい

 どこまでも


 
 月光や  弧灯に浮かぶ  夢の跡

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