ZERO POWER/キキ
 
やがて来る、あたらしい雨
プラットフォーム
この手で焼いた
たこやきのまるいかたち
そしてあの子のえがお

満ち足りた身体に
デザートがはいるだけの
ちょっとした空隙ができる
まだ走れるかもしれない
走れないかもしれない
プラスチックの青いイスに座りこんだ
わたしのスカートに
仔犬のかたちをした風が入りこむ

そしてあの子は気づかないけれど
わたしのスカートはいつの日も水玉じゃないのだ



 あの子が見ていたのはただの草、みどり
 葉のかたちそのままに影をなす、ふかみどり

 わたしは帽子をかぶったままで
 額にだけ汗をかいた
 あの子の腕は

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