真夏のスノー/モリマサ公
気が狂っている
音声で表示されていく地図たち
がひろがってみんなしねばいい
信号待ちから動き始めた列を追っかけてくろくながくブレーキの
ながくのびながらまっすぐ中央分離帯にむかってく痕をのみこんで
わたしたちをのせたままなだらかにみんなしねばいいい
空気がすこし残ったゆがんだアドバルーンを片隅にのせたまま駐車場はかたむいている
死にたいと恋人が
目を見開いた状態でねむってる人間の顔みたいな
気持ち悪さでつづいてく
誰の住んでるどの街にもあるファミレスのメニューみたく
近くて遠いのにどこまでもつるっとつながってて
覗いてる全員のその感覚がいま全部ここに
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