港/乱太郎
微かな音だけになって
宇宙に放り込まれたみたいに
地上の星屑が
夜を点滅させる
(七色の輝きの物語りを
伺うことはない)
ただ
静かに
天井の神話に向かって
海は唸り声を残して
暗闇の空に吸い込まれていた
おおきないっぴきの魚が
浮かんでいる
回転する無人の緑色の光り
手紙を綴るように
(地上に恋人はいない
星になったのだから)
それでも
信じて
おとなしい風に向かって
数隻の船が
地上と空の真ん中で
何かを探している
(今日を餌にして
明日はここから昇るのだろう
きっと
希望の群れをなして
戻る 編 削 Point(12)