港/乱太郎
 
微かな音だけになって

宇宙に放り込まれたみたいに


地上の星屑が
夜を点滅させる
   (七色の輝きの物語りを
    伺うことはない)

    ただ
    静かに

天井の神話に向かって


海は唸り声を残して
暗闇の空に吸い込まれていた
おおきないっぴきの魚が
浮かんでいる


回転する無人の緑色の光り
手紙を綴るように
   (地上に恋人はいない
    星になったのだから)

    それでも
    信じて

おとなしい風に向かって


数隻の船が
地上と空の真ん中で
何かを探している
   (今日を餌にして


明日はここから昇るのだろう
きっと
希望の群れをなして



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